もちろんそのような場所を触られるというのはそれだけで堪らなく恥ずかしかったが、あまつさえその感触を快感と受け取った己れの破廉恥さに身を妬かれるような思いだった。けれども、その先に性の営みがあると知って猶拒みきれなかったのは、見ると政宗殿はいつも笑っていてくれたからだ。たとえば後ろの孔を触られる感触は背徳的な快感が背筋を伝うのだが、この笑みだけでも甘い疼きが下腹部を襲うのだ。
「Uh? 感じてくれてるみてえだな幸村。もっと破廉恥っつって騒がれるモンと思ってたぜ。」
とは言われても何と応えて良いやらわからず、涙目と自覚できる目でただ見つめた。そして政宗殿はまた笑う。
「何も言わねんなら、喰っちまうぜ、You OK?」
そう聞いて政宗殿が某の受諾を待ってくれていることに漸く気付いた。斯様に他愛無い遊戯を仕掛けてきてまでやり込めるように交わりを迫っても、彼は結局のところ某に決定の余地を用意してくれているのだ。
「政宗殿、某、貴殿の想いをすべて受け入れる所存に御座る。あ、……愛して、おりますゆえ。」
顔が赤くなるのを感じながら何とかそれだけを言った。すぐには政宗殿の顔を見ることができなくて、少し後にいざその表情を見ようと思ったら、また深い接吻をされた。
「kissするときは目を閉じな、honey?」
先程と同様に長く続くものと思っていたら、すぐに離れては政宗殿がそう言った。色恋の沙汰が初めてならば接吻も初めてのことなので、こういったことはまったく知らない作法だった。
「わ、わかり申した。」
そう言って目を閉じたというのに政宗殿からは何の反応もない。盗み見るように目を開けると、ちゃんと政宗殿はそこに居て、ヘンなカオで某を見ていた。
「政宗殿?」
また某が知らずに不法を犯したのかと不安になって呟くと、政宗殿は今まで余所事でも考えていたように改まった。
「……お前の可愛さはdevil級だぜ、幸村。」
そう言って政宗殿は某を苦しいほどにかき抱いた。"でびる"の意味は理解できずとも彼が感激していることはわかったので、その息苦しさはいっそ心地いい程だった。
「ひ、あう……ッ!」
思い出したように政宗殿の片手が下帯の中に入り込み、くるりと輪を描いたかと思うと指先がその中に入ってきた。そのあまりの衝撃に、入ったのは第一関節までだとか、入ってきた異物感はあっても痛みはないことなんかは認識出来ずに、ただ恐ろしくて政宗殿に縋りついた。腕の自由が利かないので顔をその肩辺りに埋めることしか出来なかったけれど、自然と政宗殿の口元に某の耳が重なって、その近い距離で大丈夫と囁かれた。瞬間、異物感の中に甘い感触を見出してしまった。一度それを快楽と認識してしまうともう止まらなくなり、衝動のままに腰をもぞもぞと動かしてしまい、すると入口までしか入っていなかった指がより奥へと導かれ、快感にすり替わっていた異物感が舞い戻ってくる。それすらも政宗殿が愛しげに指を動かすうち甘い喜びへと塗り替えられて、その異物感と快楽とを繰り返すうち、気付けば指は三本にもなっていた。くるくると変わる快楽と恐怖の狭間で、いつの間にか某はしゃくりあげているような状態で。
「Hey,泣くな幸村、痛えのか? 違えだろ? ここもう、こんなになってんぜ。」
言いながら政宗殿がくいと指を曲げる。三本のうちどの指かはもはや判然としない。
「〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」
声にならない声をあげて、某は身につけたままの下帯の中で達してしまった。