政幸 - 寝耳に

戦国BASARAより伊達政宗×真田幸村
そういうのを匂わす表現があるけどまあエロなしほのラブ。


 「政宗、どの……?」
微かに囁くような呼び掛けは空間に吸い取られて消えてしまったようだ。応じるのは静かで穏やかな寝息だけ。二人して果てた後、二人して眠ってしまうのはいつものこと。普段は政宗殿が先に目覚めて某の身体を拭いてくれて、それで某も目覚める。今日は政宗殿は寝入ってしまって起きる気配がない。某が先に目覚めるのは初めてのこと、政宗殿はお疲れなのだろうか……そう思って身じろいだ瞬間不意に小さな小さな水に似た音が耳に入った。何か拭くものはないかと辺りを見回してもそれらしいものは見当たらなくて政宗殿を見る。……本当によく眠っている様子で起こすのは忍びない。仕方が無いので足を閉じ合わせて我慢することにした。まさか政宗殿の居城で部屋の外に声をかけるわけにはいかない。不快感を紛らわそうと視線を上げると再度政宗殿の寝顔が目に入った。どうせ政宗殿が目を覚ますまで手持ち無沙汰は変わりないのでこの機会にと頬杖をついて政宗殿のお顔をじっくりと拝見する。
 某に余裕がないせいか気が付いて見ればこうして無躾に視線を投げ掛けるのは初めてのことだった。静かに寝息を立てるだけのその顔は整った目鼻立ちをして いて同性の某が見てもどきりとするほど端正だ。息がかかるほど顔を寄せても政宗殿が起きることはなく、代わりに政宗殿の香りが舞い立つ。夢中で見詰めていると気付けば触れそうなところまできていた。呼吸の調子が変わったか、と思った瞬間には開かれた政宗殿の目と目が合い、後頭部を押さえられもう逃げられないということに気付いた時にはもう遅かった。

 「Ah-n? そこまで来といて逃げるのか、幸村?」
途端に顔が赤くなるのを感じて再度身を引こうと試みるも、がっちり押さえられて動けない。
「ま、政宗殿……いつから……!?」
「可愛いな、幸村は。お前が声をかけた時にはもう起きてたぜ?」
もがいても動けないまま政宗殿が某の唇をつつく。くすぐったい。
「た、狸寝入りでござったのか!?」
言葉に詰まりながら尋ねると政宗殿は某の唇をつついていた指を左右に振る。ち、ち、ち。
「悪いが俺の寝顔を知ってるのは小十郎だけだ。」
 そしてそのまま噛み付くような接吻。何も言えなくなるばかりでなく政宗殿の舌の動きに翻弄されて思考もままならない。気付くと政宗殿が覆いかぶさるような姿勢に変わっていて、不敵な笑みが此方を見下ろしている。
「俺の可愛い幸村の熱烈なRequestにお答えして、もういっちょやっとくか、なぁ幸村??」
「待っ……!!」
「待たねぇ!」

 もう一度強制的な眠りに就かされた後、先に目覚めたのは矢張り政宗殿の方で、頗る上機嫌だったというのは言うまでもない話。







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